公認心理師と臨床心理士の選択 | 大学の養成課程見直しから考える

公認心理師と臨床心理士の選択 |大学の養成課程見直しから考える

心理援助職(心理カウンセラー等)を目指す中で、国家資格である「公認心理師」と、歴史ある民間資格である「臨床心理士」のどちらを目指すべきか、迷っている学生の方も多いのではないでしょうか。

近頃、大学や大学院における心理職養成カリキュラムを巡り、大きな動きが相次いでいます。
福岡大学大学院では臨床心理士養成カリキュラムの停止により公認心理師の育成に舵を切っています。一方、関西学院大学文学部総合心理科学科では2026年度入学生の募集をもって公認心理師養成カリキュラムを廃止しており、国家資格である公認心理師の導入、あるいは大学ごとの教育リソースや方針の再編に伴い、「従来のダブル取得ルート」や「大学ごとの資格対応方針」に変化が生じています。

これまでの「とりあえず両方取っておけば安心」という時代から、双方の資格の明確な違いや特性を理解し、自分の将来像に合わせて選択する時代へとシフトしています。

公認心理師と臨床心理士の比較

両資格は「人の心を支援する」点では共通していますが、資格の性質や根拠法令、求められる役割に違いがあります。

比較項目 公認心理師 臨床心理士
資格の区分 国家資格
(公認心理師法に基づく)
民間資格
(日本臨床心理士資格認定協会)
主な目的 保健医療、福祉、教育等における国民の心の健康保持増進 心理臨床の専門技術を用いた心理的支援と実践研究
取得ルート 大学(4年)+大学院(2年)
※主に学部からの連続履修が必要
大学(4年・学部不問)+指定大学院(2年)
更新制度 なし(生涯資格) 5年ごとの更新制
(研修・発表・論文等の実績が必須)
医師との関係 主治の医師がある場合は指示を受ける義務がある 適切な連携・面接
(指示に限定されない相互連携)
主な活躍の場 医療(診療報酬加算対象)、公的機関、学校、福祉施設など 病院・クリニック、スクールカウンセラー、私設心理相談など

背景から読み解く、これからの進路選択

大学におけるカリキュラム廃止・再編のニュースは、「どちらかの資格が不要になった」ことを意味するわけではありません。

教育負担とカリキュラムの専門化

公認心理師と臨床心理士の双方の養成条件(実習時間や指定科目)を満たすことは、大学・大学院および学生側にとって非常に大きな負担となります。そのため、大学ごとに「国家資格(公認心理師)へ特化する」「臨床心理士の高度な心理実践・心理療法教育に注力する」といった選択と集中が進んでいます。

医療・公的領域とプライベート・教育領域のニーズ

  • 公認心理師: 医療機関での診療報酬加算や、行政・公的機関での採用において必須・有利となるケースが増加しています。
  • 臨床心理士: 長年の歴史に基づく心理療法(インサイト指向の心理面接など)の現場、私設心理相談領域において、今なお高い信頼と実績を誇ります。

どのような基準で選ぶべきか?

進路に迷った際は、以下の視点から自身の将来像を整理してみましょう。

タイプ A
公認心理師を中心に考えるべき人

  • 病院やクリニックなどの医療機関、あるいは行政や福祉などの公的領域で働きたい人
  • 大学入学前の段階から心理職を目指すことが決まっており、学部から計画的に必要科目を修得できる人

タイプ B
臨床心理士を中心に(または併せて)考えるべき人

  • 他学部出身など、大学学部で公認心理師要件を満たしていないが、大学院から心理職を目指したい人
  • 資格取得後も継続的に研修を受け、心理療法の高度な専門性を磨き続けたい人
  • 特定の心理臨床分野に関心が高い人

💡 進路選択におけるアドバイス

まずは自身の志望する大学・大学院が「どの資格の養成カリキュラムに対応しているか」を最新の募集要項で確認し、自分が目指す支援の形に合ったルートを選択することが重要です。

Meg心理師国試予備校のコース紹介

Meg心理師国試予備校は、心理学部の進級・留年防止から、心理系大学院入試、公認心理師国家試験まで一貫対応する、完全マンツーマンの専門予備校です。公認心理師と臨床心理士の両方(ダブルライセンス)の対策にも対応し、公認心理師による学習カウンセリング・メンタルサポートも無料で受けられます。受講は【通学(1対1)】【オンライン(双方向)】に対応し、全国どこからでも受講可能です。

執筆者
K講師

西南学院大学卒業、同大学大学院修了。公認心理師。Meg心理師国試予備校講師。大学院受験・国家試験受験の経験をもとに、受験生支援を行っている。