Meg心理系大学院受験体験記~【第2回】心理系大学院の研究計画書で私が悩んだこと

この連載では、Meg心理師国試予備校のK講師が、ご自身の心理系大学院受験を振り返り、当時のリアルな体験を語ります。
完成された合格体験記ではありません。迷い、苦戦し、失敗しながらも立て直していった過程を、ありのままにお伝えします。「自分だけじゃないんだ」——そう思ってもらえたら、この連載の目的は果たされたと考えています。
これから心理系大学院を目指す方にとって、参考に、あるいは反面教師になれば幸いです。
心理系大学院の研究計画書で私が悩んだこと
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心理系大学院の面接で実際に聞かれたこと
(公開準備中)
受験体験記第2回では、研究計画書を取り巻く環境を中心にその時の体験をお話しできたらと思います。限界大学生の二の舞にならないように……。
4年生の春。就活の波に乗り遅れ、まだまだサークル活動が続いていた時分。手元に残ったのは、ほぼ白紙の卒業論文と、秋入試まで半年を切った「大学院進学」という高いハードルでした。
当時の私は、大きな勘違いをしていました。「学部で研究していることを、さらに深めるのが大学院だ」という理屈は分かっていても、肝心の「学部で何を研究したいか」が定まっていなかったのです。自分が何をしたいのか不明確なまま、その先の「修士課程での研究計画書」を書かなければならない。この、土台のない場所に家を建てるような苦しさは、今思い出してもゾッとするものです。
さらに私を追い詰めたのは、所属ゼミの環境でした。私のゼミは比較的緩やかな雰囲気で、指導教官も「学生の自主性を尊重する」というスタンス。研究計画書を見せても、「文の構成は問題ないし、誤字脱字もありません。まあ、いいでしょう」と言われるだけでした。
一見、肯定されているようでいて、実際には「学術的な新規性」や「臨床現場での意義」といった、院試で最も問われる核心部分に全く手が届いていない状態だったのです。3年生の時に数本の論文をパラパラと読んだ程度の知識では、専門家である試験官を納得させる計画書が書けるはずもありません。理解できない専門用語の海に溺れながら、時間だけが過ぎていく焦燥感に、私は完全に打ちのめされていました。
このままでは全落ちする。そう確信した私は、入試まで残り数ヶ月という段階で、ようやく「独力で何とかする」という幻想を捨て、徹底的に現状の棚卸しを行いました。
とにかく時間がありません。人よりも圧倒的に出遅れていることを自覚し、まずは自分が持っている「資源」を確認しました。授業、サークルの練習、生活のためのバイト。これらをすべて書き出し、残された「隙間時間」を院試対策に割り振りました。「何をやるか」以上に「何をやらないか」を決める、まさに背水の陣の戦略です。
あちこちに手を広げる余裕はないと判断し、まずは目の前の「卒論で何をするか」を明確に固定しました。その上で、卒論の限られた範囲ではカバーしきれない、「さらに深掘りしたい課題」を抽出。それを修士課程のリサーチ・クエスチョンとして据えることで、卒論と院試対策の二重苦を一本の軸に統合しました。
この2ヶ月を勝負の月と決め、基礎固めと計画書の作成を並行させました。周囲の友人も内定をもらい始め、サークル活動も大きな大会を控える中、私は大学の図書館でパソコンと格闘する毎日を過ごしました。出遅れた分を1分でも取り戻そうと、移動時間やバイト中さえも、常に計画書の構成を練り直す「院試漬け」の2ヶ月間でした。
周囲に同じ志望の先輩がおらず、当初は孤立無援でした。しかし、背に腹は代えられません。同じく院試を目指す他学部の知人に恥を忍んで「研究計画書の書き方の基本」を相談し、さらに専門が全く異なる友人に計画書を読んでもらいました。専門用語を使わずに自分の研究を説明する練習を繰り返すことで、「自分が何を言いたいのか」を極限まで言語化していきました。
知識が足りない焦りに飲み込まれないよう、一つの割り切りをしました。提出段階では「論理が破綻していないこと」と「倫理的な問題がないこと」の2点だけは死守する。それ以外の細かい知識の不足は、提出から入試本番までの期間でリカバリーすればいい。落ちても春入試がある。ここで人生全てが終わるわけではない。そう自分に言い聞かせることで、自暴自棄になり途中で断念するという最悪の事態を回避するための心の余裕を作りました。
もし、当時の自分にアドバイスできるなら、以下の3点を伝えます。
もっと早くから行動すること
4年生の春からスタートするのは、精神衛生上おすすめできません。せめて3年生の秋には基礎固めを始めるべきでした。
「情報」を自分から掴みに行くこと
オープンキャンパスなどを活用し、先輩に直接相談できる機会を作るべきでした。孤立感を感じていたとしても、結局は自分で動かなければ何も始まりません。独学で悩む時間は、情報を得る手間で大幅に短縮できたはずです。
卒論と計画書を切り離さないこと
卒論のプロットが固まっていない段階で背伸びした計画書を作ろうとせず、まずは足元の卒論を固めることに全力を注ぐ。それが、結果的に最も近道だったと今なら断言できます。
ここまで振り返り、よく院浪せずに進めたなと感心やら先生方への感謝の念でいっぱいです。
「なんとかなれー⭐︎」でなんとかなってしまった例になりますので、真面目な皆様におきましては真似しないで、着実に、誠実に計画を立てて勉学や研究に励んでください。
公認心理師がマンツーマンで研究計画書の作成を支援します。
