Meg心理系大学院受験体験記〜第一回心理系大学院を受験しようと思った理由

連載|全3回

心理系大学院 受験体験記
── 迷い、苦戦し、立て直した日々のリアルな記録 ──

K
執筆者:K講師
西南学院大学卒業、同大学大学院修了。公認心理師。現在、Meg心理師国試予備校にて講師を務める。自身の大学院受験・国家試験受験の経験をもとに、受験生一人ひとりに寄り添った指導を行っている。

この連載では、Meg心理師国試予備校のK講師が、ご自身の心理系大学院受験を振り返り、当時のリアルな体験を語ります。

完成された合格体験記ではありません。迷い、苦戦し、失敗しながらも立て直していった過程を、ありのままにお伝えします。「自分だけじゃないんだ」——そう思ってもらえたら、この連載の目的は果たされたと考えています。

これから心理系大学院を目指す方にとって、参考に、あるいは反面教師になれば幸いです。

📖 「心理系大学院 受験体験記」シリーズ一覧
第1回
心理系大学院を受験しようと思った理由
← 今回の記事
第2回
心理系大学院の研究計画書で私が悩んだこと
(公開準備中)
第3回
心理系大学院の面接で実際に聞かれたこと
(公開準備中)

第1回:心理系大学院を受験しようと思った理由

心理系大学院の受験は、暗闇の中で時間に追われながら、正解のないパズルを解くような日々でした。

この記事群では、私が実際に経験したプロセスを項目ごとにお話しいたします。様々な失敗と、そこからどうやって立て直し、合格を掴み取ったのか。この体験記が皆さんの参考に、あるいは反面教師に少しでもなれば幸いです。

漠然とした関心と「手に職」という建前

私が心理学という分野に足を踏み入れたのは、強い関心であったり、使命感があったからではありません。大学入学当初は「人間という生き物にはなんとなく興味がある」という程度の、ありふれた関心でした。

ちょうどその頃、心理職初の国家資格である「公認心理師」制度がスタートし、世間的にも注目が集まっていた時期です。親からも「これからの時代、何か手に職をつけた方がいい」と言われており、国家資格が取れるのであれば将来の潰しが効くかもしれない。そんな、いわば「消極的な安定」を求めていたのが、私のスタート地点でした。

渦巻く不安と「心理系」を選ばない周囲

しかし、いざ真剣に進路を考え始めると、決断を鈍らせる不安要素が次々と浮かんできました。

不安 ①|英語への強烈な苦手意識

皆さんご存知の通り院試には英語が必須ですが、私は英語が大の苦手。中学一年生から今までずっと一番の苦手科目であり、常に足を引っ張っていました。この数年間で英語のことなど忘れ、日本語で学べる素晴らしさと翻訳機の偉大さに感謝し続けていました。そのような私にとって、再び英語と向き合うことは大きな負担でした。

不安 ②|孤立感

入学当初に仲良くなった友人たちの中に、大学院進学を目指す人は一人もいませんでした。学年が上がり、公認心理師が取れるカリキュラムを進む私と楽単を選択していく友人たちとの間には段々と距離が生まれていきました。周囲が就職活動の準備を始める中、自分だけが孤独な受験勉強に飛び込むことへの抵抗感は相当なものでした。

不安 ③|業界への疑念と自己適性

そして自分にとって最も大きな不安が業界への疑念と自己適性でした。「心理職は給料が安い」という現実的な噂や、心理関連のアルバイトをせず、ボランティア経験も関心も薄い自分が、果たして対人援助の世界に向いているのかという適性への疑問。サークル活動という「外の世界」に全力投球し、成績やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)もそれなりに揃っていたため、わざわざ険しい道を選ばずとも、一般企業でうまくやっていけるのではないかという迷いが常にありました。

モラトリアムの中で見つけた「問い」

最終的に進学を決意したのは、ある種、環境に甘えた「成り行き」の部分も否定できません。金銭的な懸念がなく、両親も進学を後押ししてくれている。まだ社会に出る心の準備ができていない自分にとって、大学院は魅力的なモラトリアムの延長線上にありました。

しかし、その背中を最後に押したのは、所属していたサークルでの経験でした。成果が目に見える厳しい環境に身を置く中で、私の目にはいくつもの「心の不思議」が映り込んでいました。

── 特定の身体イメージがパフォーマンスに直結する環境下で、その理想に近づきながらも幸福を感じている人と、逆に不安定に陥る人がいるのはなぜか。

── 性別によって入部動機が異なり、さらに「辞めたい」と悩んだ際の周囲の関わり方次第で、継続か退部かが劇的に分かれるのはどのような捉え方によるものなのか。

── 現場では「自己中心的」に振る舞える人ほど成績を伸ばして、成績が伸び悩んでいると自己中心的な振る舞いを叱ることが出来なくなるのはどのような心の動きが影響しているのだろうか……

組織の中で生じる葛藤や、人の心の動きに対して抱いた「なぜ?」という疑問。それを単なる経験則ではなく、「心理学という学問的な視点から、論理的に理解したい」という切実な知的好奇心が芽生えたのです。そしてこの学問を深めることは、単なる自己満足ではなく、将来の臨床場面でも必ず誰かの適応を支える武器になるとも考えました。

このように、沢山の苦悩と不安を押し込み、自分の進路として大学院受験を明確に定めた時、卒業まで1年しか残されていませんでした。

……そうです。就活もせずにサークルに打ち込み、だらだらと悩んでいたらいつの間にか4年生の春になっていました。

次回 ── 第2回
心理系大学院の研究計画書で私が悩んだこと
4年生の春から始まった研究計画書との格闘。テーマ選び、書き方、何度も手が止まった過程をお伝えします。

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執筆・監修
K
K講師(執筆)
西南学院大学卒業、同大学大学院修了。公認心理師。Meg心理師国試予備校 講師。
岩崎 陽一(監修)
株式会社アクト 代表取締役|Meg心理師国試予備校 運営責任者