【ブループリントを徹底解説】公認心理師試験の出題範囲と科目別対策法
公認心理師国家資格の取得を目指す方にとって、試験の出題範囲を体系的に理解することは合格への最短ルートです。心理師資格を取得するには、まず「ブループリント」と呼ばれる出題基準を正しく把握することが重要です。本記事では、心理師受験資格を持つ方が効率的に学習を進められるよう、公認心理師試験のブループリントを徹底解説し、科目別の対策法をご紹介します。心理師になるには何を学ぶべきか、どのような勉強会や学習法が効果的かを含め、合格率向上につながる実践的な情報をお届けします。
はじめに:ブループリントとは何か
定義
ブループリント(Blueprint)とは、公認心理師試験における「出題範囲と配点比率」を体系的にまとめた指針です。
作成主体は文部科学省・厚生労働省の共同検討会で、公認心理師試験研修センターが公表しています。
目的
出題分野の偏りを防ぎ、全国の受験者が公平に評価されることを目的としています。
Q1. 公認心理師試験の出題範囲はどう決まっている?
出題範囲はブールプリントでは24項目に分かれていますが、学習しやすいように以下の6領域に分けて考えてもらえると出題範囲が整理できます。
区分 | 出題内容の概要 | 主なキーワード例 |
---|---|---|
① 心理学の基礎 | 心理学概論、学習・記憶・発達・社会心理 | 学習理論、発達段階、認知 |
② 心理学的支援 | カウンセリング理論・心理療法・面接法 | ロジャーズ、認知行動療法、動機づけ面接 |
③ 精神疾患と医療 | 精神医学・診断・薬物療法 | DSM-5、うつ病、統合失調症 |
④ 教育・発達支援 | 学校・発達支援・特別支援教育 | LD、ADHD、発達支援計画 |
⑤ 福祉・司法・産業 | 多職種連携・地域支援・職場メンタルヘルス | ケースマネジメント、産業保健、矯正心理 |
⑥ 心理の法制度と倫理 | 倫理規程、守秘義務、法制度 | 公認心理師法、個人情報保護、倫理綱領 |
出題数は全154問中、ほぼ均等に各分野から出題されています。 (※出題数の比率は年度により若干変動あり)
Q2. 科目別の特徴と学習戦略
① 心理学の基礎
- 特徴:統計・研究法を含み、暗記より理解分析が問われる。
- 対策:
- 心理統計(分散・相関)の基本を手計算で理解。
- 代表的実験(パブロフ、ピアジェなど)を図解で整理。
② 心理学的支援
- 特徴:臨床心理学系の中心領域。
- 対策:
- 各心理療法の創始者・理論・適用対象を表で整理。
- 面接法の手順を覚える。
③ 精神疾患と医療
- 特徴:医療系国家試験と部分的に重なる領域。
- 対策:
- 主要疾患の診断基準(DSM-5)を症状単位で比較。
- 向精神薬の分類と副作用を一覧表で記憶。
- 医療チーム内の心理師の役割(コンサルテーション等)を確認。
④ 教育・発達支援
- 特徴:学校現場での事例理解が中心。
- 対策:
- WISC・WAISなど心理検査の目的と年齢対象を整理。
- 教育相談・スクールカウンセリングの枠組みを理解。
⑤ 福祉・司法・産業
- 特徴:現場実践を意識した応用問題が多い。
- 対策:
- 各分野の支援機関・制度(地域包括支援センター、ハローワーク等)を把握。
- 司法・産業領域での倫理的課題を事例で学習。
⑥ 法制度と倫理
- 特徴:条文知識+倫理的判断力を問う。
- 対策:
- 公認心理師法の条文・罰則規定を原文で確認。
- 守秘義務と通報義務の違いを具体事例で比較。
Q3. 学習の進め方【HowTo】
- 過去問3年分を解く
→ 出題傾向と分野別比率を把握。 - ブループリントと照合して弱点分析
→ 自分の得意・不得意分野を可視化。 - 出題頻度の高いキーワードをノート化
→ 例:「援助要請行動」「心理教育」「ピアサポート」など。 - 公式資料を一次情報として活用
→ 「試験センター公表資料」「日本心理研修センター公式サイト」。
Q4. 出題傾向と今後の変化
- 近年の試験の傾向をみると、「基礎心理学用語・医療分野・発達支援」の出題がやや増加している。
- コロナ禍以降、多職種連携など現代的テーマも登場。
- 今後は近年の社会情勢から「地域包括ケア」「発達障害支援」などの出題が増える可能性が考えれます。
Q5. よくある質問(FAQ)
Q. ブループリントは毎年変わる?
A. 原則として数年単位で改訂。大幅な変更はありませんが、出題傾向は年度ごとに調整されます。
Q. 学習優先度の高い分野は?
A. 心理学・臨床心理学の基本的な用語の理解、事例問題の対応力を優先的に学習しましょう。
Q. 出題基準はどこで確認できる?
A. 公認心理師試験研修センター(https://shinri-kenshu.jp/)が最新のブループリントを公表しています。
まとめ:ブループリント理解が合格への最短ルート
- 出題分野を体系的に理解すれば、効率的な学習が可能。
- 分野ごとに対策法を整理し、過去問で実践。
- 公的機関の情報に基づく学習が合格への最短ルートです。
作成者:Meg心理師国試予備校スタッフ
【公認心理師】新田 猪三彦(にった いさひこ)
2007年より心理学や脳科学の講座を行い、医歯薬専門予備校で受験に必要なメンタルの強化法、保育士会調査研究委員会において「保育士・保護者のコミュニケーション講座」、市民と協働によるまちづくり提案事業、産学官包括連携事業などを行っている。
九州朝日放送運営のマイベストプロ福岡でコラムの執筆にも携わり、一人でも多くの人が心が豊かに生活できるように情報を発信している。
また、部活動のメンタルトレーニング、学校を中退した学生の受験・学習支援、受験を見守る保護者の相談、資格試験合格のためのモチベーション管理、タイプ別による学習法のアドバイスなども行っている。
<略歴>
公認心理師 /ふくおか成年後見センターさくら / 福岡コミュニケーションカレッジ講師 / PMD医歯薬専門予備校心理カウンセラー / 日本心理学会認定心理士 / 日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー / 文部科学省所管生涯学習開発財団(神経言語プログラミング)協会認定マスタープラクティショナー / ICA(国際コーチ協会)認定コーチ / カナダSuccess Strategies・Shelle Rose Charvet認定LABプロファイリング・プラクティショナー
・LINEトークCAREカウンセラー
・メンタルゼミ