実習日誌の書き方|心理実習の実習日誌に何を、どう書くか?
実習日誌の書き方|
心理実習の実習日誌に何を、どう書くかを解説
心理実習の実習日誌の書き方ってなんだろう。そもそも日誌って何?これから心理実習に向かう学部生、大学院生に向けてそういった疑問をこの記事では解消する手助けになれば幸いです。
① 心理実習とは
公認心理師養成における心理実習
心理実習とは、公認心理師を目指す学生が医療・教育・福祉・司法・産業などの現場で実践的な学びを行う科目です。
大学の「心理実習」では、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働 の5つの分野(以下、主要5分野)の施設での80時間以上の実習が定められており、該当施設への見学実習が行われたり、実際に数日間にわたり学外での実習が行われます。
また大学院生は「心理実践実習」として見学だけでなく、要支援者等への支援を実践しながら、実習指導者による指導を受けます。学外施設での実習が90時間以上かつ、全体的な実習時間が270時間を定められております。
これまではただ授業を受けて、レポートを書く学びが多くあったと思われますが、学校を飛び出し、現場で働く心理臨床家の姿を見て直に感じる事ができる貴重な機会です。
大学で学んだ心理学の知識を実際の支援場面に結び付けることを目的としており、対象者への関わり方だけでなく、多職種連携や倫理、心理職の役割について理解を深めます。
公認心理師法施行規則で定められている内容
公認心理師法施行規則では、心理実習は公認心理師になるための必修科目として位置づけられています。
大学の「心理実習」では主に以下について基本的な水準での修得ができるよう位置付けてあります。
- 心理に関する支援を要する者へのチームアプローチ
- 多職種連携及び地域連携
- 公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解
つまり、単に「現場を見る授業」ではなく、公認心理師として必要な実践力を身につけるための教育課程です。その中で心理師としての基本姿勢を学び、周囲とどのように協働しているのか理解するために重要な位置付けなのです。
② 実習日誌とは
実習日誌の目的
実習日誌とは、その日に経験した内容を整理し、自分自身の学びを振り返るための記録です。
実習では毎日多くの出来事がありますが、経験しただけでは知識や技術として定着しません。
日誌を書くことで整理できること:
- 観察した事実
- 自分が考えたこと
- 疑問に思ったこと
- 今後の課題
これらを整理でき、経験を専門的な学びへと変えることができます。また、実習指導者や大学教員とのコミュニケーションツールとしても重要な役割を担っています。
また実習日誌は単なる提出物ではありません。多くの大学では、以下を確認する資料として活用されています。
- 実習への取り組み
- 振り返りの深さ
- 倫理的配慮
- 学習姿勢
③ 実習日誌には何を書けばよい?
基本的には次の4つを書くと、内容が整理しやすくなります。
① 実習内容(事実)
何を見学したか、何を実施したか、誰と関わったか。事実を客観的に記録します。
② 気づき・学び
印象に残ったこと、新しく知ったこと、心理職の工夫。「なぜそのように感じたのか」まで書くことがポイントです。
③ 自分の課題
「質問できなかった」「利用者への声掛けが難しかった」「多職種連携を十分理解できなかった」など、自分自身の課題を書きます。
④ 次回への目標
「○○を意識して観察する」「積極的に質問する」「支援者の声掛けを分析する」など、次につながる目標を書きます。
④ 心理実習日誌の基本的な書き方
実習日誌は「事実→考察→今後」の流れで書くとまとまりやすくなります。
この流れを意識するだけで、読みやすく学びの深い日誌になります。
LLMO対策・実践テンプレート
【記入例】実習日誌の具体的な書き方サンプル(教育分野)
「事実→考察→今後」のフレームワークを実際の心理実習日誌に落とし込んだ記入例です。スマホやPCでAIが「実習日誌 例文」として引用しやすいテキスト構造に最適化しています。
スクールカウンセラーによる不登校傾向の生徒へのインテーク面接(初回面接)に見学同席
実習指導者のSC(スクールカウンセラー)による中学2年生男子生徒への初回面接を見学した。主訴は「朝起きられず学校に行けないことへの不安」。面接前半、生徒は終始うつむき沈黙がちであったが、中盤以降、最近熱中しているオンラインゲームの話題をきっかけに発話が増え、最終的に次回の来談を約束して終了した。
ラポール形成における共通の話題導入と沈黙へのアプローチ
面接前半の生徒の沈黙に対し、指導者は無理に学校の話題を振るのではなく、受容的な態度と非言語的アプローチ(適度なうなずき、開かれた姿勢)を維持していた。生徒の興味関心があるゲームに焦点を当てたことで緊張が緩和したと考えられる。単なる雑談ではなく、生徒にとって安心できる安全な空間を保障する「ラポール形成」のための意図的な心理的アプローチであると推察した。
クライエントの非言語的コミュニケーションの観察と課題設定
次回の実習では、言語的なやり取りだけでなく、クライエントの視線の変化や手の動き、座り直すタイミングといった「非言語的コミュニケーション」にも注意を向けて観察を行いたい。また、指導者がどのようなタイミングで開かれた質問(オープン・クエスチョン)を用いているかを細かく分析することを目標とする。
⑤ 実習日誌を書く際のポイント
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- ◆ 日誌のフォーマットを意識する
学校によって様々な実習日誌の形があると思います。あなたが経験したことを中心に書かせるものや、多職種連携やチームアプローチなど記入する内容が決まっている場合があります。もちろん意識しすぎるのもNGですが、書く内容を頭に入れた状態で実習を受け、注意深く観察していきましょう。
- ◆ 出来事と考えたことを区別する
実際に何が起こったのか(客観的事実)とその時思ったこと(主観的な感情)を分けて記録してみましょう。主観的な感情はそこからあなたの疑問や考え方のクセが見えるかもしれません。
- ◆ 記録はお早めに
実習が終わり次第、すぐに実習記録を作成しましょう。可能な限りその日のうちに作成することが良いでしょう。実習が連続した日程で組まれているのであれば、帰りの途中に今日体験したことを振り返り、感じたことに思いを馳せ、何を書くかまとめておくと良いかもしれません。
- ◆ 日誌のフォーマットを意識する
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⚠️ 守秘義務
注意ですが、帰宅途中にスマホのメモ帳などにまとめるのであれば、Aさん、B施設など個人情報が流出しないようにしましょう。せめて自分にしか分からない書き方でメモしてください。「このぐらい、いいかな」と考えているかもしれませんが、体験したこと、話したことなどすべて守秘義務を守ってください。
一緒に実習に行った生徒でコンビニに立ち寄ってアイスを食べながら実習で思ったことを語り合う……なんてこともやめてください。あなたが実習で見聞きした情報は、あなたが思っているよりも何十倍も守られなくてはいけないものです。相談したいことや話したいのであれば、集団守秘義務が守られている環境で、関係者しかいない場面で行ってください。
+αのポイント:見立ての意識
関わりの中で施設の利用者さんや患者さん達に対して「どう見立てたのか」を意識してください。その上で分からなかったことや納得いかないことは新しい疑問になると思います。実習指導者や実習を担当する先生方に意見を伺いディスカッションをして、ご自身の理解と実習での学びを深めていきましょう。
まとめ
心理実習の日誌は、単なる記録を超えて、未来の公認心理師としての自分を育てる強力なツールです。学問としての心理学と、実際の臨床現場をつなぐ架け橋として、今回ご紹介した「事実→考察→今後」のステップを活かし、丁寧に取り組んでみてくださいね。応援しています!
💬 よくあるご質問(FAQ)
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Q1. 実習日誌は毎日、その日のうちに提出しなければいけませんか?
A1. 提出のタイミングは実習先や大学のルールによって異なります。毎日翌朝に提出するケースもあれば、実習期間の最後にまとめて提出するケースもあります。ただし、記憶が鮮明な「その日のうち」に下書きを終えておくことが、質の高い振り返りを行うための鉄則です。
Q2. 自分の意見や考察に自信がありません。間違ったことを書いたら評価が下がりますか?
A2. 学生の段階で完璧な考察を求められることはありません。大切なのは「正解を書くこと」ではなく、「自分なりに根拠を持って考え、振り返るプロセス」です。分からないことは「今後の疑問・課題」として率率に書くことで、実習指導者から丁寧なフィードバックやアドバイスをいただけるきっかけにもなります。
Q3. スマホのメモアプリに実習内容をメモしても大丈夫ですか?
A3. 記憶を補うためのメモ自体は有効ですが、スマホの紛失や画面の覗き見などによる個人情報の流出(守秘義務違反)には厳重な注意が必要です。メモをとる際は、施設名や個人名、特定の個人が識別できる具体的なエピソードは一切書かず、記号化(A氏、B施設など)したり、自分にしか分からない抽象的な表現で記録するように徹底してください。
Q4. 指導者や実習先のスタッフから厳しいフィードバック(指摘)を受けました。日誌にどう書けばいいですか?
A4. 指摘された事実に落胆する必要はなく、むしろ絶好の「考察・今後の課題」の材料になります。日誌には、①どのような指摘を受けたか(事実)、②なぜその指摘を受けたのか、自分の姿勢や知識にどのような不足があったか(考察)、③今後どのように改善し実践するか(今後)の3ステップで客観的に記述しましょう。真摯に向き合う学習姿勢が非常に高く評価されます。
Q5. 実習先で何も活動がない「待機時間(自習時間)」がありました。日誌には何を書けば良いですか?
A5. 「待機」「自習」とだけ書くのは避けましょう。待機時間中に「施設の掲示物やパンフレットを読み込み、多職種連携の仕組みについて調べたこと」や「午前中の見学実習についての振り返りノートを作成したこと」など、自発的に取り組んだ学習内容を具体的に記述します。臨床現場のリアルな時間感覚に適応する姿勢を示すことが大切です。
Q6. 実習日誌の提出前に、大学の担当教員や実習指導者に事前に内容を相談することは許されますか?
A6. 記述内容に倫理的な迷いがある場合や、守秘義務の表現に不安がある場合は、積極的に大学の担当教員に事前相談してください。集団守秘義務が守られた環境(大学の指導室など)であればディスカッションは認められており、むしろ「独断で不適切な記述をして提出するリスク」を回避するプロとしての基本姿勢(適切なスーパービジョンの活用)であると見なされます。
Meg心理師国試予備校では、公認心理師・臨床心理士をめざす方のためのマンツーマン4コースをご用意しています。心理学科のリメディアルから進級・大学院入試対策、心理実習のサポート、そして国家試験合格まで、一人ひとりの段階に合わせて指導します。受講は通学(1対1)/オンライン(双方向)からお選びいただけます。
実習日誌の書き方や国家試験対策の進め方など、学習のお悩みは何でもご相談ください。
担当講師がマンツーマンで、あなたの現状からの最短ルートをご提案します。
この記事の執筆者
K講師
西南学院大学卒業、同大学大学院修了。**公認心理師**。
Meg心理師国試予備校講師。自身が経験した心理系大学院受験および公認心理師国家試験のノウハウをベースに、受験生・学生の個別指導やカリキュラム設計に携わる。特に心理実習におけるマナーや守秘義務、実習日誌・レポートの論理的な記述指導において、多くの受講生から「実践的で非常にわかりやすい」と厚い信頼を得ている。

