Meg公認心理師試験 受験体験記〜【第一回】公認心理師国家試験に向けて私が最初にやったこと
修論執筆や実習で忙しい日々を送る中で、公認心理師国家試験の足音はいつの間にか大きくなっていきます。「まだ先のこと」と思っているうちに、気づけば試験まで数ヶ月……。
私も皆さんと同じように、様々なタスクに追われながら、暗記が追いつかない焦燥感と戦っていました。
この体験記では、綺麗事ではない現場のリアルな苦労と、今振り返って思うことをお伝えします。皆さんの国試対策において参考になれば幸いです。
公認心理師国家試験に向けて私が最初にやったこと
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公認心理師国家試験の勉強で私が苦戦した分野
公認心理師国家試験の直前期に私がやったこと
大学院生活もいよいよ佳境。学外施設での延べ90時間に及ぶ外部実習をようやく終え、心身ともに疲弊しながらも、どこかで一つの大きな山を越えたという安堵感に包まれていた時期でした。
もちろん、手元には学内実習のケース記録や、刻一刻と迫る修士論文の執筆という巨大なタスクが残っていましたが、外部実習が終わった解放感から、ようやく試験勉強へと目を向ける余裕が生まれたのです。
この時の私は、少し調子に乗っていたかもしれません。この1年間しっかり座学をこなし、実習で臨床のリアルも見てきた。基礎知識はそれなりに身についている筈だと根拠のない自信を持っていたのです。
私は赤本を購入し、前年度の試験問題を印刷しました。まずは景気づけに、最初の5問だけを解いてみることにしました。
結果は、5問中1問の正解。しかも、確信を持って選んだものではなく、「消去法でこっちかな?」という運任せの回答でした。
目の前が真っ暗になるような感覚でした。6割以上が合格点であるにも関わらず、現在の正答率はなんと2割。
これまで大学院で積み上げてきたはずの知識が、国家試験というフィルターを通した瞬間に、砂のように指の間からこぼれ落ちていく。残りの数ヶ月しかないのに、この膨大なギャップを埋められるのか?という猛烈な焦りが襲ってきました。
調子に乗って伸びていた鼻もポッキリと折れ、参考書を開くこと自体が、自分の無知を突きつけられる苦行のように感じられ始めました。
本格的に勉強を始めようとしても、現実は非情でした。机に向かっても、頭の片隅には「あのケース記録を書かなければ」「修論の分析が進んでいない」という焦りが常にこびりついています。
結局、試験勉強を後回しにしてしまい、その自己嫌悪から逃げるようにスマホに手が伸びる……。そんな悪循環の日々でした。
また、周囲の友人が「まずはテキストを綺麗にまとめる」という王道の勉強法を実践しているのを見て真似をしてみましたが、2行書いただけで飽きてしまう。皆がやっていることができない劣等感や、高校の時は出来たはずの勉強方法が出来なくなっているという焦りがさらに募りました。
統計や基礎心理学の原理の学び直しでした。実習や修論で扱う得意分野は楽しい。しかし、苦手な分野は「自分ができないこと」を突きつけられる感覚が強く、無意識に避けてしまっていました。
飽き性で、やる気のムラが激しく、スマホの誘惑に勝てない。この三つが、私の最大の壁でした。
「このままでは本当にやばい」という危機感から、私は勉強に対するアプローチを変更していきました。
少なくとも6年間心理学を学んでいる学徒であるならば、この知見を自分自身に活用しなくてどうする、という意思のもと、自分自身に学習心理学を実装していきました。
苦手な分野は「まずページを開く」「文字を見る」「ペンを持つ」と動作を細分化し、「とりあえず5問だけ解く」という極限までハードルを下げたルールを設定しました。5問終われば、好きな分野や修論作業へ移って良いという、プレマックの原理を用いた条件づけです。
スマホを視界から消すだけでなく、当時プレイしていたゲームを「周回放置」に設定しました。SNSを見るためにスマホを触れば、ゲームの自動周回が止まり経験値が入らなくなる。つまり、スマホ操作に「経験値損失」というレスポンスコストを課したのです。この戦略は、私には驚くほど効果的でした。
まずは、自分自身を認めることから始めましょう。
大学院での実習やケース、修論に追われる過酷な日々の中で、国家試験という高い壁に一歩踏み出した。そのこと自体が、心理職の卵として既に素晴らしい一歩では無いでしょうか。まずは「取り組もうとしている自分」を最大限に労ってあげてください。
そして勉強法に「正解」はありません。 私は「まとめノート」を丁寧に作るスタイルは全く合いませんでしたが、それがドンピシャでハマる人もいます。集団で切磋琢磨するのが向いている人もいれば、一人で戦略を練る方が捗る人もいるでしょう。大切なのは、巷の成功法則を鵜呑みにすることではなく、自分自身の特性をアセスメントし、最適な学習スタイルを選択することです
そして、「環境調整」の重要性を忘れないでください。 私たちはケースを通して、クライエントに環境調整の大切さを伝えています。ならば、その知見を自分自身にこそ適用しましょう。勉強机という物理的な空間だけでなく、自分に馴染む参考書選びや、効率を上げるタブレット活用、誘惑を遮断する仕組みづくり。それらすべてが、合格への立派な戦略になります。
最後に、大学院生という立場は、「心理の専門家」を目指しているからこそ、基礎知識の欠落に触れるたび、強い自己嫌悪に苛まれることもあるでしょう。皮肉なものです。 しかし、その「焦り」や「絶望」すらも、利用しない手はありません。 油断を排し、最後まで自分を机に向かわせる適度なストレスとして、それは試験終了まであなたを支える戦友になってくれるはずです。
ただ、その感情に飲み込まれそうになった時は、どうか一人で抱え込まないでください。
しんどい時はいつでも、隣にいる友人や先生を頼ってください。
人を助ける仕事を目指す皆さんが、助けを求めることを恐れないでほしい。そう願っています。
公認心理師がマンツーマンで伴走します。
