公認心理師試験 受験体験記〜【第二回】公認心理師国家試験の勉強で私が苦戦した分野と勉強法
第二回では、受験まであと2ヶ月となった時期に、私がどのように各分野の勉強へ向き合っていったのかを書いていきます。
模試で叩き出した壊滅的な点数。苦手への強烈な抵抗感。そして「もう間に合わないのではないか」という焦り。
そんな状況の中で、過去問の取り組み方や教材をどう活用したのか、一例として参考になれば幸いです。
公認心理師国家試験の勉強で私が苦戦した分野とその勉強法
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ようやく修論の重圧から解放された1月。国試まで残り2ヶ月を切ったタイミングで、ようやく私は10月に購入したまま積読状態だった赤本を手に取り、試験勉強を再開しました。
みんなで受けようと話し合い、某大手塾の模試に挑みましたが、結果は正答率50%未満。合格基準である6割に遠く及ばないだけでなく、項目別偏差値はことごとく50%を切っていました。
基礎心理学が苦手なのは自覚していましたが、臨床心理学も実践分野も壊滅的。大学院の自習室で結果を片手に天を仰ぎました。その日の空は非常に澄んで青く、綺麗であったことを、今でも覚えています。現実逃避ですね。
最初にして目下の悩みは、公認心理師試験特有の「アルファベット略語」でした。
勿論現場に出ている諸先輩らにとって、アルファベット略語が一般的であることは重々承知です。そして公認心理師国家試験において略称を用いた心理検査名がとても、たくさん、頻繁に出題されていることも、過去問を取り組んだ諸兄らにとっては自明なことでしょう。
しかしここは日本。そして日本語を母語としている私にとって、勉強する上で効率的に頭に入りやすいのは日本語の検査名です。
考えてみてください。「ミネソタ多面人格目録」と「ミニメンタルステート検査」なら、内容も特徴も、なんとなくイメージできるでしょう。
しかし、問題文に「MMPI」「MMSE」と並ぶと、一瞬思考がフリーズし、「どっちが人格でどっちが認知症検査だっけ?そもそもなんの検査だ??」と迷う時間が生まれました。私はこの数秒の迷いにより、事例をはじめとする様々な問題に対する苦手感が生まれました。
さらに追い打ちをかけたのが、法律や薬剤に関する知識でした。
法律は授業で触れていたものの、薬理学に関しては本当にさっぱりでした。「心理学を学んでいたのに、なぜここまで他領域の知識が必要なのか」と、半ば逆ギレに近い感情すら湧いていました。
効率的な勉強が苦手だった私は、不器用ながらも「過去問の徹底周回」という戦略を選びました。
アウトプットを繰り返すことで、「出題者が出しやすい問題形式」や「問題文のどのキーワードが正答へのフックになるか」という、公認心理師試験特有の思考プロセスを身体に染み込ませていきました。
過去問を周回することによって自分に足りてない知識をインプットし直しました。加えて出題傾向や知らなくてはならない検査名、ひっかけとして同じ解答欄に出やすい項目など、直近3年の過去問をメインで回していきました。
どうしても机に齧り付いて勉強したくない際はスマホ片手に大学院内を徘徊しました。「過去問.com」さんを活用し、後輩とお話ししながら問題を解きました。案外自分の知らない項目であっても、後輩が学びたてほかほか状態で解説してくれることもあり、良い息抜きを兼ねていたと思います。後輩ありがとう。
福祉や保健医療分野については、心理学のテキストだけで粘ることをやめました。
保健医療分野は精神科看護師向け参考書を活用し、福祉分野は社会福祉士(SW)や精神保健福祉士(PSW)の試験問題と解説を読み込みました。
メリットとしては公認心理師試験の過去問よりも豊富にあることです。そして他職種の教材を使うことで、単なる試験勉強だけではなく、実際の臨床場面における連携のイメージも浮かびやすくなりました。
実際の現場では他職種であっても心理的な知識を持たれている場合が多々あります。そのリアルを感じ取れるため、自分自身に対しても他職種寄りの内容に対する学習のモチベーションにもなりました。
教育・司法・産業分野については、現実社会や実習での記憶と、試験に出やすい内容を結びつけるようにしました。
ニュース、先生方の雑談、スクールカウンセリングのエピソード。それらと心理学用語をリンクさせることで、「キーワードから関連知識を思い出す」という形へ変えていきました。
大学院での2年間、無意味に過ごしていたのではないか……と思っていましたが、どうやらそうではなかったようです。
実習先で出会った人々の顔、先生が漏らした現場の苦労話、ニュースを見て感じた憤り。それらのエピソード記憶が、無機質だった試験用語を「自分だけの知識ネットワーク」へ変えていきました。
試験勉強というものは得てして苦しいと感じるものですが、その苦しさはどこにあるのでしょうか。
「わからないこと」に対する自責の感情でしょうか。
それとも「人よりもできていない」という劣等感でしょうか。
それとも一人で勉強する孤独感でしょうか。
人によっては試験勉強に集中するために恋人と別れたり、修論の出来栄えへの不満を引きずっていたり、博士へ進学するための勉強との二重苦であったり……。
人によってその苦しみのベースは違うと思います。
ただ、その苦しさをずっと背負うと本末転倒だと思います。この苦しさをどう扱い、どう付き合っていくか。それはあなた自身に委ねられています。
これまで学んできた心理学の知見を、自分自身のセルフケアや
セルフマネジメントへどう還元できるか。
そのプロセス自体もまた、「試験対策」の一つなのだと思います。
そして、もしその重圧が自分の身に余るものだと感じたなら、「適切にリファーすること」も心理職に必要な専門スキルの一つであることを思い出してください。
一人で抱え込み、壊れてしまう前に、誰かを頼る。その勇気を持つことも、立派な試験対策の一環です。
最後まで頑張っていきましょう!
